IPアドレスを持ち、ネットワークに所属するホスト(コンピュータやルータ)は、
必ず経路制御表を持っています。
なぜなら自身がパケットを出力する時に、この表によって出力を制御し、
この表によって受け取るパケットを決めるからです。
以下は、あるコンピュータ(WindowsXP)のコマンドプロンプトで、次のnetstat命令を実行し、
経路制御表を表示させた例です。
(この表のあて先(Destination)当てはまらないIPパケットは、送出しないことになっています。)
Z:\>netstat -r Route Table =========================================================================== Interface List 0x1 ........................... MS TCP Loopback interface 0x2 ...00 90 96 8e f4 88 ...... Atheros AR5001X+ Wireless Network Adapter - パケット スケジューラ ミニポート =========================================================================== =========================================================================== Active Routes: Network Destination Netmask Gateway Interface Metric 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.11.1 192.168.11.56 25 127.0.0.0 255.0.0.0 127.0.0.1 127.0.0.1 1 192.168.11.0 255.255.255.0 192.168.11.56 192.168.11.56 25 192.168.11.56 255.255.255.255 127.0.0.1 127.0.0.1 25 192.168.11.255 255.255.255.255 192.168.11.56 192.168.11.56 25 224.0.0.0 240.0.0.0 192.168.11.56 192.168.11.56 25 255.255.255.255 255.255.255.255 192.168.11.56 192.168.11.56 1 Default Gateway: 192.168.11.1 =========================================================================== Persistent Routes: None
この色の所は、ローカルルークバックです。(自身から送出するパケットをマシン内で折り返しさせる時に使われるアドレス)
この色の所は、自身の所属するネットワークへの経路(ネットワークアドレス)です。
この色の所は、自身ホストへの経路(このマシンのアドレス)です。
この色の所は、ホスト・アドレス部がすべて1であるようなIPアドレスであるディレクティッド・ブロードキャスト・アドレス(directed broadcast addres)です。これは指定された(サブ)ネットワーク上だけに対するすべてのホストへのブロードキャスト用です。
この色の所は、マルチキャスト用のアドレスです。
この色の所は、すべてのbitが1(オール1)であるようなIPアドレスであるリミテッド・ブロードキャスト・アドレス(limited broadcast addres)です。これは同じネットワーク・セグメント上にいる、すべてのホストを対象とするブロードキャスト用です。
この色の所は、デフォルトゲートウェイへのアドレスです。
テーブル先頭項目 | Network Destination | Netmask | Gateway | Interface | Metric |
---|---|---|---|---|---|
意味 | 宛先IPアドレス | サブネットマスク | 次に中継するルータ | 左のGatewayに接続するポートのIPアドレス | 宛先まで距離を意味する値 |
ルーティングテーブルには、宛先アドレスに対し、
そこまでの距離、
そこへ中継する次のルータのIPアドレス、
そのルータへ繋がっているポート
が記憶されています。
つまりルータでは、受け取ったIPパケットの宛先で、ルーティングテーブル内の
宛先アドレスに一致する所を検索し、
対応するポートに送り出しています。
そしてルーティングテーブル検索で送り先が見つからない場合に、
デフォルトゲートウェイへ送ることになっています。
なお、
デフォルトゲートウェイ
のIPアドレスは、ルーティングテーブルで0.0.0.0や defaultの表記が使われます。
以下で、参考にインターフェイスを2つ持っているマシンのnetstatコマンド実行例を示します。
Z:\>netstat -r Route Table =========================================================================== Interface List 0x1 ........................... MS TCP Loopback interface 0x2 ...00 07 40 dc f0 31 ...... BUFFALO WLI-CB-G54 Wireless LAN Adapter - パケッ ト スケジューラ ミニポート 0x10004 ...00 40 d0 3c 7f c3 ...... VIA Compatable Fast Ethernet Adapter - パケ ット スケジューラ ミニポート =========================================================================== =========================================================================== Active Routes: Network Destination Netmask Gateway Interface Metric 0.0.0.0 0.0.0.0 192.10.0.1 192.10.0.55 20 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.0.1 192.168.0.22 1 127.0.0.0 255.0.0.0 127.0.0.1 127.0.0.1 1 192.10.0.0 255.255.255.0 192.10.0.55 192.10.0.55 20 192.10.0.55 255.255.255.255 127.0.0.1 127.0.0.1 20 192.10.0.255 255.255.255.255 192.10.0.55 192.10.0.55 20 192.168.0.0 255.255.255.0 192.168.0.22 192.168.0.22 25 192.168.0.22 255.255.255.255 127.0.0.1 127.0.0.1 25 192.168.0.255 255.255.255.255 192.168.0.22 192.168.0.22 25 224.0.0.0 240.0.0.0 192.10.0.55 192.10.0.55 20 224.0.0.0 240.0.0.0 192.168.0.22 192.168.0.22 25 255.255.255.255 255.255.255.255 192.10.0.55 192.10.0.55 1 255.255.255.255 255.255.255.255 192.168.0.22 192.168.0.22 1 Default Gateway: 192.168.0.1 =========================================================================== Persistent Routes: None